★熊本にて★

★熊本にて★

先日、夏休みを利用して、九州は熊本へ行ってきました。
まずは熊本城に行ったのですが3年前の地震の爪痕がまだ至るところに残っていました。

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崩れたままの櫓の石垣

熊本地震で特に石垣が大きな被害を受けましたが、400年以上も前に築城されたお城が、今日までその壮観な姿を残していることに、当時の建築・築造技術の高さを改めて感じました。でも、ひょっとしたら復旧・復元工事をしている現代の匠のほうがその辺りを強く感じているかもしれませんね。
とにかく、一日でも早く復旧・復元工事が進み、無事にもと通りの壮観な姿を見せてもらいたいと思うばかりです。

熊本城を後にし、次に水前寺公園に行きました。
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中に入ると、池のそばに風情ある茅葺の建物があり、その傍らに「古今伝授の間」と彫られた石碑が。調べると、この建物はもともと京都御所にあった建物で、戦国時代に細川家中興の祖といわれた細川幽斎が、八条宮智仁親王に、古今和歌集の解説の奥儀を伝授した場所だそうで、大正元年にこの場所へ移築されたようです。
一部鉄骨で補強されてはいましたが、日本庭園の中に静かに佇む建築は奥ゆかしいですね。
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建物の中には入っていないのですが、にじり口がありましたので、そこはおそらく茶室だったのでしょう。
ちなみににじり口とは、茶室に入るための入り口で、千利休がこの様式を取り入れたということですが、「茶室はどんな身分の人でも平等に」ということを示すため、刀を外し、頭を下げ、手をつきながらでないと入れないような大きさの扉にあえてしたのだそうです。
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このように、建築の意匠ひとつひとつに意味と目的が隠れていますので、皆さんも建物の外観や内観のデザインで不思議に思ったことがあれば、ぜひ調べてみてください。面白い意味が隠れているかもしれません(^^)
庭園内にある茶屋でお茶を戴きながら、久々にのんびりとした時間を過ごさせていただきました。
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